同次形と変数分離形の応用[微分方程式入門Part3]

微分方程式

\(\)同次形を応用することで$$\frac{dy}{dx}=f\left(\frac{ax+bx+c}{px+qy+r}\right)$$という形の微分方程式を解くことが可能となります。

本記事ではその解法と例題を解説していきます。基礎的な微分方程式のみを学習されたい方は飛ばしても問題ない内容でしょう。

微分方程式\(\frac{dy}{dx}=f\left(\frac{ax+bx+c}{px+qy+r}\right)\)

この微分方程式は同次形の解法のように関数を置換することで変数分離形または同次形に変形し解くことが可能です。

⑴\(aq-bp=0\)の場合

\(\frac{a}{p}=\frac{b}{q}\)であるから、\(\frac{a}{p}=\frac{b}{q}=k\)と置くと与えられた微分方程式は、

$$\frac{dy}{dx}=f\left(\frac{k(px+qy)+c}{px+qy+r}\right)$$

と変形することができる。

ここで\(u=px+qy\)とおくと、\(\frac{du}{dx}=p+q\frac{dy}{dx}\)であるから、

$$\frac{du}{dx}=p+qf\left(\frac{ku+c}{u+r}\right)$$

となり変数分離形に変形することができた。

⑵\(aq-bq\neq0\)の場合

連立方程式\(\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l} ax+by+c=0 \\ px+qy+r=0 \end{array}\right.\end{eqnarray}\)の解を\(\alpha,\beta\)とし、\(u=x-\alpha,v=y-\beta\)として微分方程式を

変形すると、\(\frac{dy}{dx}=\frac{dv}{du}\)であるので、

$$\frac{dv}{du}=f\left(\frac{au+bv}{pu+qv}\right)$$

が成り立つ。よって同次形に変形することができた。

練習問題

以下の微分方程式を解け

$$⑴(x+y+3)+(2x+2y+1)\dot{y}=0$$

$$⑵(2x+y-2)-(x+2y+1)\dot{y}=0$$

解答

⑴\(aq-bp=0\)であるから、\(u=x+y\)と置くと

$$u+3+(2u+1)(\frac{du}{dx}-1)=0$$

整理して$$\frac{2u+1}{u-2}\frac{du}{dx}=1$$

これは変数分離形であるから、

$$\int\frac{2u+1}{u-2}du=\int dx$$

$$\int(2+\frac{5}{u-2})du=x+C_1$$

$$2u+5log|u-2|=x+C_1$$

u=x+yを代入して整理すると、

$$x+2y+5log|x+y-2|=C_1$$

$$log|x+y-2|=\frac{C_1}{5}-\frac{x+2y}{5}$$

よって求める解は、

$$x+y-2=Cexp(-\frac{x+2y}{5})   (\frac{C_1}{5}=logC)$$

⑵連立方程式\(\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l} 2x-y-2=0 \\ x-2y+1=0 \end{array}\right.\end{eqnarray}\)を解くと、\(x=\frac{5}{3},y=\frac{4}{3}\)である。

よって、\(u=x-\frac{5}{3},v=y-\frac{4}{3}\)とし微分方程式を変形すると

$$\frac{dv}{du}=\frac{2u-v}{u-2v}$$

これは同次形であるから\(t=\frac{v}{u}\)と置き、tとuの式に書き換えると

$$t+u\frac{dt}{du}=\frac{2-t}{1-2t}$$

$$\frac{2}{u}+\frac{2t-1}{t^2-t+1}\frac{dt}{du}=0$$

これは変数分離形であるから両辺を積分して

$$\int\frac{2t-1}{t^2-t+1}dt+\int\frac{2}{u}du=0$$

$$log|t^2-t+1|+2log|u|=C_1$$

ゆえに、$$u^2-uv+v^2=C_1$$

よって求める関数は

$$x^2-xy+y^2-2x-y=C$$

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