ベルヌーイの微分方程式の解き方[微分方程式入門Part5]

微分方程式

1階線形微分方程式が解けるようになったことで非線形であるベルヌーイの微分方程式を解くことができるようになります。本記事ではその解法について紹介していきます。

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ベルヌーイの微分方程式

非線形な微分方程式は難解であり一般解が存在しないことが多いです。そのような非線形な微分方程式でも一般解を出せるものの例がベルヌーイの微分方程式であり、ベルヌーイの微分方程式は以下の形で表される微分方程式です。

\(\)

$$y’+P(x)y=Q(X)y^n (n\neq0,1)$$

\(n=0\)の場合は1階線形微分方程式、\(n=1\)の場合は同次線形微分方程式であるからこれを除いた以上の形の方程式がベルヌーイの微分方程式です。

解法

ベルヌーイの微分方程式の両辺を\(y^n\)で割ると、

$$y^{-n}y’+P(x)y^{1-n}=Q(x)\cdots①$$

ここで\(u=y^{1-n}\)とおくと、\(u’=(1-n)y^{-n}y’\)であるから①は

$$\frac{1}{1-n}u’+P(x)u=Q(x)$$

$$u’+(1-n)P(x)u=(1-n)Q(x)\cdots②$$

②は1階線形微分方程式であるから、1階線形微分方程式の解法を用いれば一般解を求めることができる。

練習問題

以下の微分方程式の一般解を求めよ

$$y’+y=e^xy^3$$

解答

両辺を\(y^3\)で割ると、

$$y^{-3}y’+y^{-2}=e^x$$

\(u=y^{-2}\)とおくと、\(u’=-2y^{-3}y’\)より

$$u’-2u=-2e^{x}\cdots③$$

③は1階線形微分方程式であるから、③の斉次解を求めると\(u=Ce^{2x}\)

特殊解を\(C(x)e^{2x}\)と仮定して③に代入すると、

$$C'(x)e^{2x}+2C(x)e^{2x}-2C(x)e^{2x}=e^x$$

\(C'(x)=e^{-x}\)より、\(C(x)=-e^{-x}\)であるから特殊解は\(y=-e^x\)である。

ゆえに\(u=Ce^{2x}-e^x\)となるから求める一般解は、

$$y=\frac{1}{\sqrt{Ce^{2x}-e^x}}$$である。

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