物理学をはじめとしてさまざまな理系分野の学習に必要不可欠である微分方程式について、微分方程式は何を求める方程式であるのか、学習を始めるにあたってまず知っていくべき微分方程式の種類について本記事では説明していきます。
微分方程式の定義および種類
微分方程式とはどんな方程式であるか
微分方程式とはどんな方程式なのか、
簡単な例として\( \dot{y}=y\cdots①\) や \( x^{2}\ddot{y}-5y=0\cdots②\) などが挙げられます。
式①であったら\(y=e^x\)が解として当てはまることが分かります。なぜなら\(y=e^x\)のとき式①の左辺\(\dot{y}=e^x\)であり両辺がともに\(e^x\)となるからです。
このようにまず微分方程式の学習を始めるうえで大事なのは、求めたい微分方程式の答えは関数であるということです。以下の例で表すならばyを満たすxの関数を見つけることが微分方程式を解くということが微分方程式を解くということになります。
1次方程式や2次方程式などいままでならった方程式は数を求める方程式だったと思います。微分方程式は関数を求める方程式である。これがいままで中学校や高校でならってきた方程式と大きく違う点です。
特殊解と一般解
では\(\dot{y}=y\)の解は\(y=e^x\)なのでしょうか。
答えは特殊解ではあるが一般解ではありません。
この式についてよく考えてみると、\(y=2e^x\)や\(y=3e^x\)なども解として当てはまります。
つまり\(y=e^x\)は解の一例でしかなのです。こうした解の一例のことを微分方程式では特殊解とよびます。
反対に解すべてを表した式を一般解とよび、式①の一般解は任意定数\(C\)を用いて\(y=Ce^x\)と表すことができます。
このように微分方程式では特殊解と一般解があり、微分方程式を解くとは一般解を求めることを指します。
常微分方程式と偏微分方程式
微分方程式の種類は主に常微分方程式および偏微分方程式に分類されます。
常微分方程式とは求める解である未知関数が1つの変数で表される場合の微分方程式を指します。初期に学習するものはほぼ常微分方程式で、本サイトでも微分方程式の記事はすべて常微分方程式です。
つまり\(y=f(x)\)のとき、常微分方程式は\(x,y,\dot{y},\ddot{y},…\)で表されます。
偏微分方程式とは求める解である未知関数が多数(2つ以上)で表される場合の微分方程式であり、方程式中に偏導関数が含まれる微分方程式です。
(例)$$ \left(\frac{\partial z}{\partial x}\right)^2+\left(\frac{\partial z}{\partial y}\right)^2=1 $$
次の記事からは常微分方程式の基本的な解き方を解説していきます。
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