\(\)\(z=f(x,y)\)としたときの\(\frac{\partial z}{\partial x}+\frac{\partial z}{\partial y}=1\)のように、求める解である未知関数が多数(2つ以上)で表され、方程式中に偏導関数が含まれる微分方程式のことを偏微分方程式と呼びました。
物理学において、時間や位置が変化する状況を方程式で表す場合などさまざまな偏微分方程式を解くことが必要となってくるため偏微分方程式を学習することは物理学を学習するうえで非常に重要になります。
本記事ではその偏微分方程式を解くための準備としてまず常微分方程式と偏微分方程式の違いについて解説し、偏微分方程式についての基礎的な内容を説明します。
偏微分方程式と常微分方程式の違い
偏微分方程式と常微分方程式の違いを考えるためにまずはそれぞれの最も簡単な形である\(\frac{\partial z(x,y)}{\partial x}=0\)と\(\frac{dy(x)}{dx}=0\)について一般解を比べてみましょう。
\(\frac{dy(x)}{dx}=0\)の一般解は\(y=C\)(\(C\)は任意定数)であるのに対し、\(\frac{\partial z(x,y)}{\partial x}=0\)の一般解は\(z=f(y)\)(\(f(y)\)は任意関数)で与えられます。
任意関数\(f(y)\)とはすべての\(y\)の関数が当てはまる関数のことを指し、このように常微分方程式から偏微分方程式に変化すると任意定数が任意関数に変わるのです。
つまり偏微分方程式の一般解を求めるとは任意関数を含む形で解となる関数を見つけることを指します。
このように偏微分方程式では1つの方程式だけだと極めてたくさんの数の解をもつことになるのです。
そのため初期条件や境界条件などを与えて解の選択肢を絞ることが定石となっています。
例題:簡単な形の偏微分方程式
以下の偏微分方程式を解け
$$\frac{\partial z(x,y)}{\partial x\partial y}=0$$
解答
$$\frac{\partial z(x,y)}{\partial x\partial y}=\frac{\partial}{\partial x}\left(\frac{\partial u}{\partial y}\right)$$
よりまず\(x\)に関してこの方程式を積分すると、
$$u_y=g(y)$$
\(y\)に関して積分して
$$u=\int g(y)dy+f(X)=G(y)+f(x)$$
つまり解は\(y)の任意関数G(y)と\(x\)の任意関数f(x)の和で表される。
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