熱とは何か
バルーン内の空気を温めると気球が浮くように自然界では熱によってさまざまな現象が起こります。
熱力学とはそういった現象を扱う学問であり熱に密接に関係しているため熱が何かを知ることは熱力学を始めるうえでとても大切になります。
では熱とはどのようなものなのでしょうか。
答えをまず述べてしまうと、熱とはエネルギーが移動する一種の形態のことを指します。
例えばお風呂の中に入った時お湯から人に熱が流れ身体が暖かくなります。
物理的に解釈するとこれはお湯の中にあったエネルギー(内部エネルギー)が熱として伝わり体の中にエネルギーとして蓄えられているのです。
つまり、熱とは仕事と同じようにエネルギーを変化させているのです。
例えばある気体の状態1が変化して異なる状態2に変化したとします。その場合、状態1のエネルギーが仕事または熱によって減少または増加し状態2のエネルギーに変化しているのです。
熱力学とは
具体的に熱力学とはどのような学問であるかを見ていきましょう。
気体の状態を考えたいとき、ミクロな視点で見ると気体とは以下の図のようにある空間のなかに無数の粒子が存在している状態となります。
そのため気体の状態を知るために分子1つ1つの動きや相互作用を力学的に運動方程式を用いて追っていくことは無数の変数があることからほぼ不可能になります。
そのため力学的にミクロな視点で追うことができない気体の状態を追うためにできたのが熱力学であり、状態を知るための熱力学の方法はマクロな視点へと切り替えて新たな変数を追うというものです。
具体的にはマクロな視点で気体全体をみると温度や体積、圧力といった新たな物質量が存在し、それらのすくない変数で平衡な状態にある気体(熱平衡状態)の状態が決定されていることがわかります。
つまり熱力学とはマクロな視点で現れる変数を使い熱平衡状態がどのようになるかを計算する学問になります。
熱平衡状態は熱を加えたり、仕事をすることで内部エネルギーが変化し、新たな熱平衡状態へと移ります。
熱力学ではこうした新たな平衡状態も熱や仕事、前の熱平衡状態から求めることができるのです。
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